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ゼミナール研究発表会
2年生が2年間の学びの成果を発表
2月7日、2年生によるゼミナール研究発表会が開催され、各ゼミが特色ある研究テーマに取り組みました。特に印象的な3つの発表を紹介します。
『低体重出生が子の将来の健康に影響を与える!?』佐藤錬磨、髙橋伶旺、山澤いち (大西ゼミ)
近年、低体重出生児の割合が増加傾向にありますが、その影響は出生時だけでなく、将来の健康にも及ぶ可能性があることが示唆されています。大西ゼミの3人は、DOHaD仮説(Developmental Origins of Health and Disease)に着目し、胎児期や出生直後の栄養状態が、将来の心血管疾患や精神神経疾患のリスクを高める可能性について、疫学的なデータを基に考察を深めました。低体重出生児の増加という現代社会の課題に対し、予防の重要性を認識させる発表となりました。

低体重出生と心疾患死亡リスクの関係について解説
『食物アレルギー対応食料理コンテストに挑戦!』
筒井優 (田中ゼミ)
えびアレルギーを持つ友人と一緒に食べることができる料理を作りたいと、筒井優さんは*特定原材料を使用しない「ポップコーンシュリンプ風」を考案し「第10回食物アレルギー対応食料理コンテスト」に応募しました。エビの食感を再現するために、鱈とかまぼこを混ぜ合わせたものをライスペーパーで包むというユニークなアイデアを採用。さらに、細かく砕いたコーンフレークを使用した衣や、無調整豆乳をベースにした自家製マヨネーズなど、代替食品を駆使した工夫も光りました。筒井さんは「アレルギーを持つ友人や、給食運営校外実習で出会った卵アレルギーの子供たちのことを思い、皆で美味しく食べられる料理を作りたいと思った」と語り、この経験を通して、多くの人が共に食卓を囲めるような料理を作れるようになりたいと抱負を述べました。
*特定原材料28品目 えび、かに、くるみ、 小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、アーモンド、あわび、いか、いくら、 オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、 バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

子供たちに人気の「ポップコーンシュリンプ(ミニエビフライ)」を、エビを使わずに再現した
『認知症グループホームの食事内容の評価と課題』
工藤凜桜、金野七星(千田ゼミ)
高齢化が進む現代において、認知症患者の増加は深刻な社会問題となっています。工藤さんと金野さんは認知症高齢者が生活するグループホームで提供されている食事に焦点を当て、その内容を詳細に評価しました。エネルギーやタンパク質は充足しているものの、食塩の過剰摂取やビタミンDの不足など、改善すべき点が明らかになりました。2人は認知症高齢者の食事内容における具体的な課題を提示し、今後の食事提供の改善に繋がる可能性を示唆しました。

グループホームにおける栄養管理の大切さを訴える
これらの発表に加え、各ゼミでは以下のようなテーマの研究発表も行われました。
- 乳幼児期における感染症予防
- 小学生から青年期にかけての運動習慣が食生活に与える影響に関する研究
- 日本の郷土料理の調査と分類
- フレイル予防に配慮した高齢者向けの間食に関する研究
2年間の学びを通して得た知識や経験を生かし、学生たちがこれから栄養士として地域社会の健康増進に貢献していくことが期待されます。