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令和7年度 ゼミナール発表会を開催

2月12日、「令和8年度ゼミナール発表会」を実施しました。本発表会は、学生が2年間取り組んできた研究や学修成果をまとめ、発表する本学の重要な教育活動の一つです。 当日、大西ゼミ・田中ゼミ・千田ゼミ・廣田ゼミの4ゼミナールから、計14題の発表が行われました。学生たちは、栄養学・食教育・地域健康・食品研究など多岐にわたるテーマに挑戦し、日頃の学びを自らの言葉で堂々と発表しました。特に印象に残った各ゼミの4つの発表を紹介します。

 

「遺伝子発現のエピジェネティック制御と栄養」  神馬颯汰さん・佐藤錬磨さん   [大西ゼミ]

この発表では、遺伝子の配列そのものを変えるのではなく、その働きを調節する「エピジェネティック制御」と栄養との関係について述べられています。近年、食事内容や栄養状態がエピジェネティックな変化を引き起こし、体質形成や将来の疾病リスクに影響を与えることが明らかになってきました。特に葉酸やビタミンB12はDNAメチル化を通じて遺伝子発現に関与し、ポリフェノールや脂肪酸も代謝や炎症に関わる遺伝子の調節に作用します。胎児期や幼少期は影響が大きく、母体の栄養状態が子どもの体質に反映されることも指摘されています。今後は、個人のエピジェネティック情報に基づいた栄養指導が、健康寿命の延伸に寄与することが期待されます。

栄養が遺伝子の働きにまで影響を及ぼすという点に深く感銘を受けました。日々の食習慣が将来の健康を左右するという事実は、予防医学の重要性を改めて認識させてくれます。今後、個別化された栄養管理がより一般的になれば、より多くの人が自分に合った健康的な生活を送れるようになると感じました。

 

第10回うま味調味料活用!郷土料理コンテスト2025」 準優勝報告 谷藤優衣さん [田中ゼミ]

「いものこ汁」をテーマにした発表は、秋田の郷土料理を現代の健康課題である減塩と結びつけ、伝統の味を守りながらも新しい工夫を加えた点がとても印象的でした。電子レンジを活用した時短調理や、うま味調味料の種類を使い分ける工夫は、実用性と創造性のバランスが素晴らしく、38%の減塩を達成しながらも味の評価が高かったことは大きな成果です。さらに、ふくれもちのトッピングというアイデアには、地元の温もりと優しさが感じられ、料理を通じた地域愛が伝わってきました。

 

競技者の咀嚼力と食事摂取との関係」 ― バスケットボール選手を対象として ―

浅岡瀬怜奈さん・亀谷さきさん [千田ゼミ]

本研究では、バスケットボール選手を対象に、咀嚼力と食事内容・栄養摂取の関係を調査。咀嚼力の高い選手は、硬い食材を含む多様な食品を摂取しやすく、栄養バランスも良好である傾向が見られた。一方、咀嚼力が低い選手は柔らかい食品に偏りがちで、エネルギーやたんぱく質の摂取量が不足する可能性が示唆された。

この結果から、競技力の向上にはトレーニングだけでなく、咀嚼機能の維持・強化も重要であることが明らかになった。咀嚼力が食事内容に影響を与え、それが体づくりやパフォーマンスにも関わる可能性があるため、今後は選手への咀嚼指導や食事サポートの必要性が高まると考えられる。栄養士として、競技者支援における新たな視点を得ることができた意義深い研究でした。

 

「横手市発酵食品の研究について」 髙橋千智帆さん・高橋日菜さん・田口胡桃さん・米塚颯斗さん [廣田ゼミ]

「横手市発酵食品の研究」では、地域に根ざした発酵文化の魅力を深く掘り下げ、郷土の食の知恵や価値を再認識させてくれる内容でした。発表からも、郷土料理を未来へつなげたいという強い想いや、地域の食文化を守り育てる姿勢が感じられ、聴いていて心が温かくなりました。料理を通して地域の絆を深める大切さを改めて実感できる、素晴らしい発表でした!

 

当日は、各ゼミの代表学生が研究の背景、調査方法、結果、考察を丁寧に説明し、会場からは多くの質問が寄せられました。学生同士が互いの研究に興味を持ち、活発な意見交換が行われたことも印象的でした。

これらの発表に加え、各ゼミでは以下のようなテーマの研究発表も行われました。 

・「終末糖化産物と疾病」      大隅駿琉・佐藤錬磨   [大西ゼミ]

・「第2回全国学生パイコンテスト2025応募報告」  青木沙羅・阿部絢音・齋藤彩音  [田中ゼミ]

・「第8回ご当地タニタごはんコンテスト2025応募報告」 伊藤雅基・櫻田夕葵  [田中ゼミ]

・「秋田かやきレシピコンテスト2025「特別賞」受賞報告」  山崎凛・武田遥奈  [田中ゼミ]

・「Happy栄養コンテスト2025「入選」報告」  北條遥菜   [田中ゼミ]

・「長期にわたる減塩施策と地域住民の減塩意識との関連」 伊藤捺美・舘岡夢結  [千田ゼミ]

・「塩分チェックシート評価結果からみた塩分意識と食行動の特徴」 伊藤若菜・小園颯・澁谷日和 [千田ゼミ]

・「病院で行われる加熱無菌食の調理方法の違いに関する文献レビュー」 作左部那美 [千田ゼミ]

・「食品摂取の多様性スコアが低い高齢者の食生活の特徴」 畠山莉佳・髙橋瑠花  [千田ゼミ]

・「かぼちゃ粉末を活用したレシピ開発」     伊藤里桜・夏井真奈実・雲雀仁南  [廣田ゼミ]

 参加した学生からは、 「研究をまとめる難しさと達成感を実感できた」 「他ゼミの発表から新しい視点を得られた」 「栄養士として必要な分析力や説明力の重要性を再認識した」 といった声が聞かれ、学びの深まりが感じられる発表会となりました。

ゼミナール活動を通じて、学生が主体的に学び、考え、発信する力を育んでいます。今回の発表会で得た経験は、今後の学習や卒業後の進路において大きな財産となることでしょう。