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秋田栄養短期大学 コラム「栄養と健康のちょっとイイはなし」
10.しいたけのちから – 廣田由利 (講師)
日本の伝統食材であるしいたけは、私たちの健康にすばらしい効果・効能を与える力を秘めている食材です。特に乾燥しいたけは手軽に利用でき栄養価も高く食卓の強い味方です。
しいたけの健康パワーの代表は、β-グルカンと呼ばれる食物繊維の一種で、体内の免疫細胞を活性化させる働きをします。乾燥させるとこの成分が凝縮され効率的に摂取することができます。β-グルカンの中でも特に注目されるのがレンチナンです。これは免疫システムを強力にサポートする生理活性物質で、白血球を活性化し、体の防御機能を高めることが知られています。このレンチナンはがん治療薬としても使われています。季節の変わり目や少し疲れを感じたときなど、また、風邪や体調不良を予防するためにも、しいたけを積極的に食事に取り入れると良いでしょう。レンチナンは、椎茸の石づき(根元の部分)に多く含まれます。料理をする際は石づきを細かく切って混ぜるなどして、無駄なく効果的に使ってください。
また、しいたけはビタミンDを豊富に含む食材の一つでもあります。ビタミンDは、食品から摂取したカルシウムの吸収を助け、骨や歯を丈夫に保つ栄養素です。特に乾燥しいたけは、日光に当てることでビタミンDの産生量が増えるという特性を持っています。生椎茸の場合でも食べる際には、1時間程度天日干しをすると良いでしょう。骨密度が低下しやすい更年期の女性や高齢者は、しいたけを日常的に食べることで骨の強化を図ることができ、骨粗しょう症の予防にもつながります。
さらに、しいたけは不溶性食物繊維も豊富に含んでいます。この食物繊維は水分を吸収して膨らみ腸のぜん動運動を活発にすることで、お通じを良くし腸内環境を整えます。健康な体は健康な腸から作られると知っておきましょう。
そして、乾燥しいたけの一番の魅力は、豊かな旨味です。乾燥させることでグアニル酸という成分が生成され、料理に深いコクと風味を与えてくれます。水で数時間から一晩かけてじっくり低温で戻すことで、さらにグアニル酸が増え旨味がより一層引き出されます。この時の戻し汁も捨てずに味噌汁のだしに使ったり、煮物や炒め物の水分として利用したり、と様々な料理に使うことをおすすめします。
乾燥しいたけは手間いらずの保存食であり栄養満点でおいしい万能食材です。毎日の食卓に取り入れておいしい食事と健康な体づくりを目指しましょう。
※参考:https://www.daichouganbasic.com https://www.jstage.jst.go.jp
