栄養士として、人の心を支えたい
栄養学科 石井楓さん(新屋高等学校出身)
㈱メフォス北日本 東北事業部
きっかけは部活のトレーナーとの出会い
もともと食が細く、痩せ型で悩んでいた高校時代、ソフトボール部で出会った女性トレーナーから食事指導を受ける機会に恵まれました。体組成※を測り、食事記録を詳しく分析してもらったところ、摂取カロリーや栄養素が著しく不足していることが判明しました。
食欲があまりなく、一度にたくさん食べることが難しかったのですが、トレーナーのアドバイスでバナナやヨーグルトを間食に取り入れると少しずつ体重が増え、試合でも最後まで全力でプレーできるようになりました。この経験から食事がいかに大切かを実感し、栄養士の道を目指すことを決意しました。
※体組成とは筋肉や脂肪・骨・水分など身体を構成する組織を指す

所属していたソフトボール部でスポーツトレーナーに出会う
実習先の保育園で食育を行う
大学では調理技術のみならず、解剖学や化学など幅広い分野について学びました。所属していたゼミではアレルギーに配慮した幼児向けの献立や、高齢者のフレイル※予防のためのおやつを考案したりしました。
これらの経験を生かして、2年次の夏には保育園で校外実習を行いました。特に力を入れたのは、子どもたちが進んで野菜を食べられるよう、野菜が体を丈夫にすることを分かりやすく説明した手作りの紙芝居を読み聞かせたことです。紙芝居を見た後、園児たちがコールスローサラダを完食したときは本当に嬉しかったです。この実習を通して子どもたちへの食への興味関心は想像以上に高いことを実感しました。
※フレイルとは老化によって心身が弱まり、様々な機能が低下していく状態のこと

手作りの紙芝居で子どもたちに栄養の大切さを伝える
就職活動と今後の展望
採用面接ではソフトボール部で培ったチームワークやコミュニケーション能力をアピールしました。中でも給食運営実習でチームリーダーを務めた経験は、面接官に大きな印象を与えたようです。
栄養士の仕事は単に食事を作るだけでなく、人々と深くかかわる仕事です。 栄養面で困難を抱えている人々に対して、食事を通じて心の支えとなるような存在でありたいと考えています。そのために栄養学はもちろんのこと、運動生理学や心理学など幅広い分野の知識を修得し、一人ひとりに寄り添ったサポートを行える栄養士を目指し、日々スキルアップに努めていきたいと思います。
将来は、アスリートのパフォーマンス向上を支えるスポーツ栄養士になることが目標です。

実験で食品成分を分析する
後輩へのメッセージ
栄養士を目指す皆さん。栄養学は奥が深く、調理以外にも解剖学や生物学、化学など学ぶことがたくさんあり困難に感じることもあるかもしれません。しかし、そのいずれの知識も人の健康を支える上で欠かせないものです。積極的に学び、病気の予防や治療、食生活の改善など多くの人々の健康に貢献できる栄養士を目指してください。