平成31年4月1日

平成31年度仕事始め式
  ― 小泉健理事長が仕事始め式で教育や仕事への姿勢などについて、教職員に話しました。


こういう形で話すのは、確か、3、4年ぶりくらいになると思います。昨年は、幹部の人を集めて話をしました。結構、長時間話したと思いますが、今日は手短にお話します。

つい先ほど、10分くらい前に、官房長官の発表がありまして、「令和」という新元号が決まりました。今までは中国の古典によっていたようですけれども、今回は、日本の万葉集から、梅の花を詠んだ美しい歌からこの「令和」が取られたということのようですね。

これは自分には関係ないと思う人がいるかもしれませんけれども、実はこの元号とういうのは、法律があるんです。皆さんの代表者である国会で、元号法という法律があって、政令で決めることになっています。公文書は全部これです。西暦があるでしょうというけれど、あれはキリストの生誕の年を西暦1年とするように作られた。世界はキリスト教だけではないですね。回教がある、イスラム教がある。いろんな国があります。西暦を使っていない国もあるんです。そういうことで、日本は、公文書は全部元号を使うことになっています。これはご承知いただきたいと思います。

よく西暦で書いてくる人がいますけれども、公文書にはなり得ないということなんです。いや、自分は認めないと言ったって、我々の代表者である国会が決めたことです。そういうことですので、そういう対応をしていただきたいと思います。辞令も全部、元号で辞令書を交付することになります。5月1日からということになりますが、よろしくお願いします。

今年採用になった人が、10人近くおりますけれども、令和元年の非常におめでたい年に採用ということで、是非頑張っていただきたいと思います。

3月17日に卒業式が終わりまして、明日はいよいよ入学式ですが、卒業式の中で、「働かされている人」と「働いている人」というようなことを話しています。学生諸君もいよいよ4月から社会人として働くわけですけれども、「働かされている人」になるなということを言いました。これは、実は永遠のテーマで、働かされている人の中から、偉い人や成功者は一人も出ていないということだと思います。いや、理事長がそう言っても、我々は雇用契約に基づく労働者だから、働かされるんだ。役務を提供するから使用者は給与を払う。役務を提供してくれた報酬を払う義務があるんだ。そういう法律関係だよと、そういうようなことを言う人がいます。これは当然なんですけれども、そんなことを言ったら、プロ野球の選手だって、誰だってそうです。大学の教授だってプロ野球の選手だって、みんな雇用契約です。そうすると片方は気持ちが「労働者」になります。労働者ということになれば、なるべく少なく労働力を提供して、なるべく有利に給料を高くもらいたいということになってきます。

先ほど新人の発令式で申し上げましたけれども、皆さんが、特に教員の方が、社会に出て、学校の中でどうして「先生」と呼ばれるか、よくよく考えなくてはいけないと思います。昨日今日大学を出た人が「先生」と呼ばれる。

これは高等学校へ行って私がよく話すんですけれども、「聖職論議」というのがあるんです。これは長い長い伝統というか、議論がずっと続いていまして、教員は労働者かどうか、という聖職論議ですね。聖職ということの美名にとらわれて、労働者の権利を慕ってはいけない。あなた方は、「自分のために生きるべきだ」というような考え方があると思いますが、その人の人生観は、それはそれでいいんですけれども、確かに法的にはこれでいいですよ。でもこういう考えの人が講義者として学生、生徒に教えていて、日本を背負って立つような人材が生まれるだろうか、ということを考えなくてはいけない。

成功者というのは、損得を考えない人の中から生まれてきているわけです。損得を考えてくれるのは、それは、第三者です。計算して、自分の時間を切り売りするような取引の人生を生きてきたような人の中には、成功者は一人もいないです。当たり前のことです。あなた方は、是非そういうことを考えていただきたいと思います。

あなた方の中には、まだ若い人もいる。将来、20年後、30年後に教え子に会って、その時も「先生」と言ってくれて、「先生のおかげでこうなったよ」と言ってくれる。あなた方が非常に恵まれているのは、金銭的なノルマがないことです。教育は百年の大計です。100年後かも知れない。20年後、30年後かも知れない。あなた方の教えたことが、教え子たちの心の中に伝わって、心の中で芽生えて、生きて、そして彼らが生きる指針としてその言葉を忘れずにいて、彼らが感謝の気持ちを抱いてくれるのは、何十年も経った後です。あなた方は、そういうような仕事をしているという誇りを持って、是非しっかりと働いていただきたいと思います。だから世間では尊敬してくれるんです。そこを忘れてはいけないということです。

私も教師であった時代がありますから、あなた方の気持ちは、よくよく分かるつもりでおります。しっかりと、令和元年の新しいスタートを共々にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

平成31年4月1日