タイトル頭髪

学長  小  泉   健

 このたび、本学で新たに導入いたしました「学生の頭髪及び装身具に関する要綱」につきまして、各方面から多くの反響を頂いております。この件につきまして寄せられました様々なご意見・ご関心に対し感謝申し上げますと共に、改めましてその趣旨についてお伝えしたいと存じます。
 本学は建学以来50有余年、多くの有為な人材を社会に送り出して参りました。実学を重視し、優れた職業人、社会人を育成する姿勢は脈々と受け継がれてきております。
  大学は本来、自由にものを考え自由に意見を述べ合い、各人が自らの責任のもとに自主的に行動することを保障されている空間であります。そのような中にあって、学生の頭髪及び装身具について基準を設け、強い指導を行うことについて様々な意見があることは承知しております。
  しかしながら近年、学生の意識と社会的常識との段差が目立ってきていることも事実であります。社会人として一般的なマナーやモラルを在学中に教育することは、いわば大学の使命のひとつとなっております。
  高校から大学へ、大学から社会へ、学生の成長を連続したキャリア形成のプロセスとして受け止め、その実りある教育のひとつの手段として、私共は今回の選択をいたしました。対象となる学生は決して多くはありませんが、さまざまな社会的ルールやマナーの指導と併せて、今回の決定に関しても学生と十分に話し合い、納得のいくように指導していきたいと考えております。
  一部マスコミで「報奨金の支給」が報じられておりますが、そのような決定はなされておらず、実施するものではありません。かかる報道が誇張され、拡大されて伝えられていることは甚だ遺憾とするところであり、本来の意図するところが歪められて伝わることを深く憂慮いたしております。
  以上述べて参りました趣旨を十分お汲み取り頂き、今後とも本学へのご協力、ご指導・ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。